2010年4月8日木曜日

Fantabulous Bean Soup

豆料理:その3

 かれこれウン十年前、アメリカで貧乏学生だったAmeFoodieはツナ缶、ピーナツバターとを食べて生きていました。野菜といったら、煮豆に入れていた玉ねぎと生でかじっていたセロリだけでした。常にコンロには大きな鍋に煮込んだがあったのです。当時、基本的には安いうずら豆(英, pinto beans)が中心でしたが、キドニービーンや乾燥グリーンピースでもスープを作っていました。当時も今も毎日食べても飽きない料理です。
 今日は少ない材料で作る、非常にシンプルだけど、本当に美味しい豆のスープをご紹介します。
 伝統的なメキシコ料理にも、遠く離れたギリシャにも、ほぼ同じスープが作られています。使う豆の種類と香辛料を変えるだけで、2つの全く違った豆スープが出来るので、覚えておくととても便利だと思います。どうちらも元々裕福ではない農民の家庭料理ですが、味が抜群なので、立派なお持て成し料理になれることから: 「吃驚!美味!豆スープ」と命名しました。


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注: 写真はメキシコ風で、本来 小麦粉で作ったトルティーヤをいっしょに食べるが、
胚芽入りイングリッシュマフィンを添えました。
(冷たいビールもお忘れなく・・・)

レシピ
吃驚!美味!豆スープ
材料: (2人分)
乾燥豆 ・・・ 1カップ(200cc)*注1参照
玉ねぎ(小) ・・・ 2個(500cc、みじん切り)
植物油 ・・・ 大さじ1(エキストラバージンのオリーブオイルなど)
トマトピューレー ・・・ 大さじ2(トマトペースト、大さじ1か、ケチャップ大さじ2と酢小さじ1でもOK)
香辛料 ・・・ 適量(*注2参照)
スープの素 ・・・ 小さじ2(*注3参照)
水 ・・・ 1.5L
お好みで: にんにく ・・・ 1かけ(みじん切り)
塩・コウショウ ・・・ 適量
調理法
1.乾燥豆をよく洗ってから、一晩水に浸す。水を切って、鍋に豆と2Lの水を入れて、沸騰さしてから火を弱め、蓋をし、とろ火で30分煮込む。(塩を入れない)
2.豆を煮っている間に厚手の鍋にオイルと玉ねぎを入れて、時々混ぜながら、とろ火で少し色が付くまで、ゆっくり炒める。(焦げないように、玉ねぎが半透明になったら、極弱い火に弱める。) 15~20分 (にんにくを使うなら、10分ぐらい経ってから加える。)
3.玉ねぎの鍋にトマトピューレーと香辛料を加えて、混ぜながら2、3分炒める。
4.水切りをした下ゆでした豆、スープの素と新たに水1.5Lを3の鍋に加えて、火を強くして、沸騰させる。
5.沸騰したら、とろ火にし蓋をして、豆がやわらかくなるまで煮込む。(豆の種類によって時間が異なる。30分~1時間)
6.豆がやわらかくなったら、好みでスープの3分の1ぐらいをミキサーなどでピューレー状にし、鍋に戻して、混ぜ合わせる。味をみて、塩とコウショウで整える。
7.器に盛って、好みのトッピングで飾る。(*注4参照)

【 バリエーション: 】
A.メキシコ風 <Sopa de Frijoles Mexicanos
*注1: どんなインゲン豆の種類(うずら豆、白いんげんなど)でも良いのですが、彩、歯応えと味を良くするために2、3種類を混ぜて使うことをお薦めします。写真のスープには北海道産の赤えんどう(蜜豆用)、アメリカ産のパンダ豆(英Black Eyed Peas)とボリビア産のフェジョ・カリオキーニャ(小さ目のうずら豆)を使っています。注意:南米産のブラック・ビーン(黒い豆)はインゲンの種類で、日本の黒豆(黒い大豆)と味も扱いも違いますので、黒い豆で作るなら、ブラック・ビーンの缶詰を使ってください。
*注2: メキシコの味は「チリ・パウダー」(主に唐辛子、クミンとオレガノで作られる)で決まります。最近はスーパーのスパイス・コーナーにも置いてあります。(塩が入っていないものを選んでください。)このスープに好みの辛さで大さじ1~3を加えてください。
*注3: 本来はメキシコでは玉ねぎをたっぷりのラードで炒めるので、このレシピではスープの素は必要ないが、オイルを使うので、野菜スープの素か鶏がらスープの素などを使ってください。(昆布だしでも美味しくできます。)
*注4: トッピングとして、お好みで: シラントロ(香菜、パクチー)、市販の瓶詰めのサルサ、細かく刻んだ生玉ねぎ、とろけるチーズ、細かく刻んだピーマンやサワー・クリームかプレーン・ヨーグルトとを熱いスープの上に乗せてください。いっしょにワインビネガーとタバスコを添えて、好みで足してください。
B.ギリシャ風 <Revithatha
*注1: ひよこ豆(ガルバンゾ、チック・ピース)を使います。
*注2: 香辛料として、生オレガノか生ミントの刻んだ葉っぱ、大さじ1を使うと本場の味が楽しめます。(乾燥ハーブなら小さじ1で充分です。)ミントを使う場合は好みでベイ・リーフ1/2枚をいっしょに入れて、煮込み時間の途中(20分ぐらい)で引き上げてください。
*注3: 鶏がらスープの素は本場の味に一番近いと思います。
*注4: ギリシャでは仕上げにレモンと卵で作るソースを混ぜてから器に盛ります。≪下記参照≫ この「アボゴレモノ」と呼ばれているソースはギリシャのどんなスープや煮込み料理にも使われることがあって、にんにくと鶏のスープにこのソースが入ったものが「アボゴレモノ・ソーパ」という代表的な料理です。ハーブの葉っぱで飾って、エキストラバージンのオリーブオイルを好みの量を入れてください。(ギリシャではオイルをかなりの量を入れることもあります。)
レシピ
アボゴレモノ・ソースAvgolemono: ギリシャ風・卵とレモンのソース
材料: (2人分)
卵 ・・・ 1個(卵白と卵黄を別ける)
レモン汁 ・・・ 大さじ3
水 ・・・ 大さじ1
熱いスープの汁 ・・・ カップ1
調理法
1.卵の卵白が白っぽくなるよう、泡立て器で泡を立たせてから、卵黄を加えて、よく混ぜ合わせる。
2.レモン汁と水を加え、混ぜ合わせてから、混ぜながら熱いスープの汁を少しずつ加える。
3.スープの火を止めて、ソースを流しいれて軽く混ぜ合わせる。(火を加えない。)

今日の料理を作ってみた方はもちろん、
ご質問やメッセージのある方かも「コメント」をお待ちしています。
ヨロシク

2 件のコメント:

  1. 僕も豆、大好き。

    作ってみようかな。

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  2. みやまえさん、
    コメントありがとうございました。ぜひ 作ってみてください。
    何故か日本の乾燥豆が外国のものよりだいぶ高いです。しかし、捜せば輸入缶詰豆の水煮(ひよこ豆、白いんげん、キドニーやブラック・ビーンは200円以下で売っていますので、乾燥豆を1晩水煮つけてから、一度ゆでる手間も省きます。
    作った感想も聞かせてください。
    ニック

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