2010年2月16日火曜日

Mardi Gras Jambalaya

 今日はニューオーリンズで、世界で最も有名な謝肉祭(カーニバル)のひとつ、「マルディグラ」が行われます。この派手なエベントにちなんで、今日 ご紹介させていただく料理はニューオーリンズが本場です。下の長い記事を読んでいただけると とても嬉しいですが、そのまま、写真を見てレシピを確認してもらってもかまいません。≪「マルディグラ」について、ウィキペディアのリンクは ここ です。≫

アメリカ料理シリーズ
 アメリカ大陸(北米、南米とも)にヨーロッパからの移民が先住民を強制退去させ住み着いて、故郷の文化や料理を持ってきたことは皆さんがご存知の通りです。その為、基本的に先住民が食べたもの以外にアメリカ生まれの料理はあまり例がありません。元々アメリカ大陸にしかなかった植物をヨーロッパ経由で世界中に広めた、とても大切な食材になったものはたくさんあります。トウモロコシ、トマト、唐辛子、コーヒー、チョコレートやジャガイモなどのない生活は想像できません。
 アメリカ料理の歴史は移住者が故郷の食生活習慣を基本に、持ってきた食材と新地の材料を使って、様々な文化が影響し合って、新たな料理が生まれたものです。その新たな北米料理の中でも、注目すべき食文化は、ミシシッピ川を中心として、特に現在のルイジアナ州(ニューオーリンズ)では生まれたケイジャン(サンニスミン)料理とクレオール料理だと思います。「ケイジャン」というのはカナ
ダからミシシッピ川を下り、ルイジアナ州に移住したフランス系移民の子孫のことです。「クレオール」はフランス人、アフリカ人、スペイン人と先住民を先祖に持ち、ルイジアナ買収以前にルイジアナで生まれた人々とその子孫のことです。つまり、ケイジャン料理にフランス料理の影響が強く、クレオール料理にはスペインやアフリカ食文化の影響が強いと言えましょう。
 違いが色いろとあっても、一般にケイジャン料理とクレオール料理を含めて、「ルイジアナ料理」とか「ニューオーリンズ料理」と呼ばれています。その代表的なのはオクラを使ったスープ、「ガンボー」と「ジャンバラヤ」という炊き込みご飯があります。食べたことがなくても、誰もが聞いたことがあると思います。

 今日 ご紹介するのがトマトを使った、クレオール風のジャンバラヤです。元々ジャンバラヤがフランス系移民の料理人がスペインの「パエリア」を再現するつもりで生まれた料理とも言われていて、高価なサフランの代わりにトマトを使ったそうです。(本来のケイジャン風ジャンバラヤにはトマトを使ってないです。)ジャンバラヤのバリエーションが非常に多いのですが、ソーセージかハムとチキンかえびを使うのが普通です。不可欠なのが、「神聖なる三位一体(Holy Trinity)」とも呼ばれている、玉ねぎ、セロリとピーマンです。味付けも様々で、とても辛いものからやさしい、野菜だけのものもあります。このブログを時々覗いている方なら、当方の好み(人生にスパイスを…)は見当が付きますね。そうです:スパイシーでピリ辛のジャンバラヤをご案内します。
* 【 注意:珍しい材料情報】: ジャンバラヤにハムを使うこともありますが、本来は燻製ソーセージ、「アンヂュ
(andouille)」が主役です。豚肉、内臓、玉ねぎ、コウショウとワインで造られて、スモークの香りが非常に強いソーセージで、日本では見たことはありません。燻製の香り以外は比較的に再現できるが、日本製のハム、ベーコンやソーセージではスモークの香りが弱いのです。燻製の香りを再現する方法は3通りを使っています:
1.日本製の燻味塩(萬有栄養株式会社の製品)を使う。≪メーカーのHPは ここ です。≫

2.メキシカン料理の「タバスコ チポートレイペッパーソース」(スモーク香り)をつかう。(輸入食材を扱っている店かインターネットで探してください。≪写真≫ (シポートレイは燻製された唐辛子です。)
3.瓶詰めの燻製液 「リッキド・スモーク」を使う。本当にこんな物があります!輸入食材店で買えます。店員に尋ねてください。本の数的で強い燻味が出ます。本当の煙の
香りを水に溶かして製造するそうです。世界中のハム、ベーコンやソーセージのメーカーはこれを使っています。≪写真

 とっ、説明が非常に長くなりましたが、アメリカ生まれのルイジアナ風炊き込みご飯、「マルディグラ・ジャンバラヤ」を日本の家庭で比較的、簡単に本来の味が
再現できるよう、工夫していますので、お試しください。とても美味しいです。


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レシピ
マルディグラ ・ ジャンバラヤ
   AmeFoodie流 : クレオール風
材料: (4人分)
A:
粗挽ソーセージ ・・・ 1袋=135~190gぐらい(5mmの輪切り)
鶏のモモ肉 ・・・ 150~200g(2cm角に切る)
えび(冷凍むきえびでOK) ・・・ 150~200g(下準備参照)
日本酒 ・・・ 大さじ3(下準備用)
B: スパイス・ミックス(下準備参照)
|ベイ・リーフ(ローリエ、月桂樹の葉っぱ) ・・・ 1/2枚(手で細かく千切る)
|タイム(乾燥・粉末) ・・・ 小さじ1/2
|オレガノ(乾燥・粉末) ・・・ 小さじ1/2
|パプリカ(乾燥・粉末) ・・・ 小さじ1
|黒コウショウ(粗引き) ・・・ 小さじ1/2
|唐辛子(キムチ用粉末) ・・・ 小さじ1/2~大さじ1(好みの辛さで、調理法参照)
|塩 ・・・ 小さじ1/4
C: 野菜
にんにく ・・・ 4かけ(包丁などでつぶす)
玉ねぎ ・・・ 2個(みじん切り)
セロリ ・・・ 1本+葉っぱ(みじん切り)
ピーマン ・・・ 2個(みじん切り)
オリーブオイル ・・・ 大さじ1(エキストラバージン)
D: スープ
辛口の白ワイン ・・・ 100cc(ドライ白ベルモットでも日本酒でもOK)
カット・トマト(パック、缶詰、瓶) ・・・ 1パック(缶、瓶)約380~500g(*注1参照)
水 ・・・ 適量(370cc~250cc、トマトと合わせて、750ccになるよう)
鶏がらスープの素(顆粒) ・・・ 小さじ2(できれば、減塩のものを使う)
E: 米
生米 ・・・ 3合(*注2参照)
バター ・・・ 小さじ1
オリーブオイル ・・・ 小さじ1
F: 燻製の香り(*注3参照)

下準備
1.冷凍えびを使う場合、凍らしたままで容器に入れて、塩・コウショウ 各1つまみと大さじ3をかけて、時々混ぜながら、自然解凍させる。
2.Bのスパイス全部を小さい鍋に入れて、混ぜながらとろ火で香りが出るまで、乾煎りをする(1分程度)。火から降ろして、そのままにしておく。
3.Cの玉ねぎ、セロリとピーマンを切っておいて、器に入れる。

調理法
1.大き目の厚手鍋(蓋付き、同鍋でも、ホウロウ鋳物などでもOK)にオリーブオイルとにんにくを入れて、極弱い火で少し色が付き始めるまで、炒めるにんにくの香りを油に移すため。にんにくを取り出して、下準備3の野菜が入った器に入れる。
2.同じ鍋に輪切りのソーセージと角切りの鶏肉を加えて、中火で炒める。
3.色が付き始まったら、下準備2のスパイスを加えて、鍋の底に茶色い焦げが付いたら、火を止め、おタマなどでソーセージと鶏肉を引き上げて、器に入れておく。
4.同じ鍋に下準備3の野菜とにんにく(お好みで刻んで)を加えて、油と焦げが全体に回るよう、混ぜながら、とろ火で炒める。
5.玉ねぎが少ししんなりしてきたら(2、3分)、D:スープのワインを加えて、混ぜながら、中火で沸騰させる。
6.沸騰したら、トマト、水とスープの素を加えて、よく混ぜ合わせる。
7.再び沸騰したら、とろ火にして、蓋をする。
8.スープを煮込んでいる間、別の鍋(フライパンなどでOK)にE:米のバターとオリーブオイルを入れて、とろ火で溶かす。
9.よく水切りをした米(*注2参照)を加えて、バターとオイルが全体に回って、プッツプッツと音が出るまで、混ぜながら炒める。(焦げると美味しくないので、本の2、3分でいい。)
10.米をスープの鍋に加えて、よく混ぜ合わせる。蓋をして、中火で10分間そのまま炊く(白米なら8分でOK)。【注意:その間、混ぜない、蓋を開けないよう】
11.蓋をしたまま、極弱い火にして、さらに15分間、炊く(白米なら12分でOK)。
12.その間に、解凍された、下準備1のえびを水切りをして、小さい鍋で、1つまみの塩を入れたお湯でサッと湯通しして、水気を切って、少し冷めたら、1cmぐらいに切っておく。
13.ステップ11の炊く時間が経ったら、火を止めて、塩で味を調える。
14、燻製の香り(*注3参照)とえびを加えて、軽く混ぜ合わせて、再び蓋をかけて15分間、もらす。
15.蓋を開けて、しゃもじや竹べらで切るように、軽く混ぜる。まだ水分が多いようなら、2、3分 蓋をあけたまま、中火で炒めなおす。
16.器に盛る。

*注1: 「カット、クラッシュ、ダイス、あらごし、あらくつぶした」トマトなど選ぶ。「ホールトマト」(水煮)だとトマトの種が多過ぎ。9月30日の投稿にこのブログでトマトについて書いていますので、参考にしてください。  ≪リンクは ここ

*注2: 栄養のバランスを考えて、我が家では洋風炊き込みご飯の時、玄米(1晩 水に浸けて、ザルでよく水切りし、1時間 そのままにする)、発芽玄米(発芽機からとって、ザルでよく水切りし、1時間 そのままにする) か、裸麦や雑穀入り胚芽米(やさしく水洗いをしてから、ザルでよく水切りする)を使います。白米でも、もちろん美味しいです。無洗米なら、そのまま使えます。

*注3: 【 燻製の香りを加える 】 - 投稿に書いてありますが、本来の味を再現するには、スモークの香りを加える必要があります。それに、燻味塩でも、チポートレイのタバスコでも、燻製液でも良いのですが、それぞれに扱いは少し違います。燻味・塩(小さじ1/2で充分でしょう。)は塩ですから、ステップ13で味を調える際にそれを考量してください。チポートレイのタバスコはとても辛いですから、小さじ1ぐらいを使って、スパイス・ミックスに唐辛子の量を加減してしください。燻製液の香りは強烈に強いので、初めて使う時は本の2、3滴にした方が安全です。3つともない場合に、粗挽ソーセージの量を150gに減らして、100gのベーコンかハムを加えたら、ほのかに燻製の香りが出ます。スモークの香りがなくても、美味しいので、あまり気にする必要はないかも知れません。【苦笑い】

今日の料理を作ってみた方はもちろん、
ご質問やメッセージのある方かも「コメント」を首を長くして、お待ちしています。
今日は特に、最後まで読んで下さった方から、「読んだよ」というコメントだけでも
いただけると遣り甲斐が出て、すごく嬉しくなるでしょう。

ヨロシク

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